「混雑税」

「混雑税」

 オリンピック東京大会では自動車交通量を減らす策として、高速道路料金を値上げするロードプライシング等の方策が検討されていると聞きます。交通渋滞によって経済活動や市民生活への影響が出るのを防ごうということですが、実は自動車排ガスによる大気汚染対策にもなります。
 自動車排ガスによる大気汚染対策として大気汚染防止法では自動車単体の排ガスの許容限度を定め規制していますが、これは原則新車からのものです。自動車交通量が集中する大都市地域では、それのみでは十分でなく、特別措置法(自動車NOX・PM法)を制定して対策を強化しています。新車のみならず使用過程にある車にも新しい排ガス規制を適用するとか、NOXやPMの総量削減計画を策定して輸送効率の向上や鉄道・海運の活用など交通量を低減させるための施策も進めています。
 PM(粒子状物質)が法の対象になったのは2001年の改正からですが、当時、東京都では石原知事のもとディーゼル排ガスからのPM対策に大変力を入れていました。ペットボトルに排ガス中のPMを入れて会見で振って見せたことにより、国民の関心が大変高まったのを思い出します。東京都では、交通量削減対策として、環状2号線や山手線内に入ってくる車に課金して交通量そのものを減らそうということも検討されましたが、公平な課金制度が難しいということもあり、課金を免れた車に対して取り締まれないということだったかと思いますが、実施するところまでには至りませんでした。
 実はそのころロンドンでも同じような検討が行われ、2003年から混雑税(Congestion Charge)が導入されました。課金システムはどうしているのか、と思ったものでしたが、その後ロンドンに調査員で派遣されたときに調べてみたことがあります。ロンドンではテロ対策ということもあり監視カメラがあらゆるところ設置されています。観光客が一日市内を散歩すると200回以上(?)も監視カメラに写ると言われています。このシステムを活用して課金エリアにある車のナンバーを読み取り、混雑税が支払われた車のナンバーと照合します。読み取られたナンバーにあって混雑税が払われていなければ追徴します(追徴の仕方が半端なく、当日払いで1日11.5£が翌日には14£になり、課徴金となると80£からはじまっていつまでも払わないと240£にもなる)。一方、読み取られたナンバーになくても混雑税を払った車はそのままということのようです。支払った人はエリアにいたから払ったということでしょうか。日本で制度を作るときとは大変違うなあと思ったものでした。
 ただ一方で公共交通機関を利用しやすくしようという取組みも半端なく、バスは24時間一日中運行しているのには驚きました。大変便利で深夜にもよく利用したものです。

(ロンドンにいたころ愛用していたバス)