顧問早水輝好「落とし物・忘れ物」

コラム第15回

落とし物・忘れ物

2022年2月7日
早  水 輝  好

 2022年が始まったと思ったら、ようやく収ってきたかに見えたコロナがオミクロン株の登場でとんでもないことになり、気づいたらもう2月。あっという間に1ヶ月が過ぎた感じである。遅ればせながら今年もよろしくお願いします。

 そんな新年が始まって早々、手袋をなくしてしまった。電車の中でコートのポケットに入れたつもりが、なぜか内側にもポケットの口が開いているというおしゃれな構造だったので、ポケットに収らずに落としてしまったようだ。私は慎重な性格の割には落とし物・忘れ物が多く、いろいろと工夫してようやく最近は失せ物がなくなったと思っていたのに、ちょっとがっかりだった。
 最近少し重い話題のコラムが続いたので、今回は軽い話題を、ということで、私の落とし物・忘れ物遍歴とその対策をご紹介して、読者の皆さんの参考にしていただこうと思う。

○ 定期券
記憶にある最初の大きな落とし物は購入したばかりの定期券である。しばらく手に持っていて歩きながら手荷物をいじっているうちに落としたらしい。届出はしたが発見されず、新婚直後に数万円の落とし物だったので家内にしこたま怒られた。それ以来、当然といえば当然だが、購入したものはすぐに鞄かどこかにしまうようにした。

○ ジャケット
暑かった日に電車で脱いで網棚に置き、そのまま忘れてしまった。電車を乗り換えた日だったので、どの電車か特定できず、あちこち電話したのを覚えている。電車が特定できればその会社で何日か保管してくれるので、見つかる可能性も高くなる。幸い無事発見され、忘れ物預かり所に取りに行った。(今回の手袋は、最も複雑な他社直通運転電車+乗り換えのパターンだったので、コスパを考えて早々にあきらめた。)
○ お土産その1
出張のお土産をやはり網棚に忘れた。東京駅で新幹線を降りてオフィスに戻る途中に気づいてすぐに駅に戻ったら、ホームにある忘れ物一時預かり所で保管されていた。網棚は危険である。対策は単純だがなるべく置かない、ということである。出張のお土産はどうしても網棚になるが、可能なら他の鞄を一緒に置くと忘れない。
○ お土産その2
何かの立食パーティーで出たお土産のお菓子の紙袋を、電車で座ったときに足下に置いたら、降りるときに忘れてしまった。降りてから気づいて電車を振り返ったら、見つけた人がかざしてくれたのだが、あいにくドアが閉まってしまった。どうぞ持っていって下さいとジェスチャーで合図したが、持っていってくれただろうか。対策は、必ず膝に抱えるか足に挟むかして、接触を保つことである。

○ 携帯電話
お土産のお菓子と違って落としてはいけない物である。ベルトに携帯電話ホルダーをつけていたのだが、マジックテープが甘くなっていて、停車しているバスに乗ろうと走ったときに落としたと推察される。幸い警察に届けたらちゃんと出てきたが、情報漏れのおそれもあるので、ちょうどいいタイミングとガラケーからスマホに買い換えた。その後、スマホはベルト用ホルダーに入れるとともに着脱可能な伸縮ストラップで物理的にホルダーとつなぐことにした。紛失時の情報漏洩リスクを減らすため、画面ONの際のセキュリティコードは面倒でも設定されることをお勧めする。

○ キーホルダー
いつもズボンのポケットに入れていても落とさないのに、Gパンのポケットが浅かったので自転車を漕いでいるときに落としてしまった。12月31日だったが、すぐに鍵屋さんに電話して玄関の鍵を取り替えた。これも数万円と大きな出費となり、またまた家内に怒られた。1月3日に警察から見つかったとの電話があり取りに行ったが、ジャケット、携帯電話に続き、日本は落とし物が出てくる国なんだとちょっと感激した。(同じ頃、自分でも自転車置き場で見つけた数万円入りの財布を警察に届けている。)以後、Gパンの時にはポケットを使わないようにしている。

○ SDウォークマン
環境省退職後に依頼講演に出かけたときにどこかでなくした。NHKのラジオ講座の録音を聞くのに使っており、当時はSDカードを使えるものがほとんど売られていなかったので、何とか見つけようと立ち回り先や乗った電車の会社にあちこち電話したがとうとう見つからず、「忘れ物返還神話」が崩れた。幸いもう1台持っていたので、今度は絶対なくさないようにと、収納ケースを黒から明るいグリーンに代えて目立つようにした。

○ 傘
実は傘はなくしたことがない。秘訣は電車の中でやはり必ず足や鞄の肩紐などで挟んでおくことである。傘が濡れているとそれができないので、傘袋を使っている。濡れた傘を入れても足で挟めるし、回りの人にも迷惑をかけない。ショッピングセンターなどの入り口にある使い捨て傘袋の再利用でもよいが、駅で持ち歩くときに知らないうちに袋だけ落ちることがあるので、持ち手がある市販品の方がよい。折りたたみ傘用のものなら鞄にぶら下げることもできる。

○ コンビニでのコピーの忘れ物
退職してから提出書類などのコピーをとるためにコンビニを利用するようになったら、何回か忘れ物を発見した。大抵は大したことがない物なので店員さんに渡して終わりなのだが、一度、「免許証と保険証」という強力コンビが置き忘れてあったのにはびっくりした。ちょうどコロナの給付金の頃で、身分証明用のコピーをとって実物を忘れたのだろう。警察に届けるべきか、店に預けるべきか随分迷ったが、お店の中にあったものを外に持ち出すのはその瞬間に「窃盗」になりそうな気がして、店員を信用するしかないと考えて店員に渡した。無事に持ち主に戻ったことを願っている。それ以降、自分のコピーの際には忘れ物がないか何度も確認するようになった。

 以上、発見経験を含め、私の主な落とし物・忘れ物と対策をご紹介したが、皆さんも類似の経験をお持ちではないだろうか。本当に大事なものをなくす前に、「転ばぬ先の杖」の工夫をどうかしてみて下さい。

落とし物・忘れ物防止グッズ