昨年4月から施行された改正大気汚染防止法により、アスベスト建材すべて(いわゆるレベル3の建材を含む)が規制対象になり、また、規制が強化されました。そのため、古い建物の解体・改修にあたっては、注意すべきことが増え、コストもかかるようになりました。古い建物は、解体・改修時だけでなく、その売買及び賃貸借にあたっても、関係当事者がこれらの規制を正しく知るとともに、関連する法的責任に留意した対応が求められます。この論文は、アスベストとは何か、アスベストに対する規制の変遷、令和2年の大気汚染防止法改正の解説を行って、同改正が不動産取引に与える影響を解説しています。規制が細かいので、規制の根拠条文をできるだけ明示し、読者が規制の内容の詳細を法令で確認して対応できるように工夫しました。