弁護士 小澤英明
前さいたま地裁所長の山田俊雄先生をこのたび当事務所の4人目の非常勤顧問にお迎えしました。山田先生は、弁護士小澤英明と司法修習同期(32期)で、実務修習も同班(東京4班)でした。当時、大変親しくしていただいていたので、この2月に定年でさいたま地裁所長を退任された際に、顧問就任をお願いし、快諾いただきました。先生の人となりは、メンバープロフィールのインタビューをご覧いただければわかりますが、私の昔からの印象は、「陽気な人」です。深刻な顔は作り顔以外見たことがありません。頭脳明晰なことは折り紙付きです。人をやりこめるタイプではないので、裁判官はまさに先生の天職だった思いますが、この4月からは首都大学東京法科大学院教授として、民法の教鞭をとっておられます。
当事務所の顧問就任には首都大学東京から兼職の許可が必要でしたが、5月末に許可が出ました。また、7月1日付で東京弁護士会の弁護士登録もすませていただきました。ただし、兼業許可の条件で、訴訟代理人としての活動は不可ですので、私が代理人をつとめる訴訟事件に共同代理人となっていただくわけにはいきません。しかし、山田先生に顧問として就任していただけるのは、幸せなことだと思います。自分だけでは独りよがりになる危険があります。また、訴訟で裁判官を説得できていないのにそれに気づかない危険もあります。そのような危険による失敗は、さまざまな問題を遠慮なく先生にご相談することで避けることができると考えています。
当事務所も開設から1年半を経過し、一応のかたちができてきました。開設の際に掲げた、不動産と環境に特化した最高の法律事務所という目標に向かって、まだまだ多くのことをやりとげる必要があります。昨年4月から企業不動産法研究会(2019年7月1日現在登録企業103社)を立ち上げ、今年4月からは企業環境法研究会(同日現在登録企業76社)を立ち上げました。当事務所の理念は、社会的責任を自覚する企業に対して真に利益となる法的サービスを行ってより良い社会の実現に貢献することです。そのためには、裁判所ではどのような判決が出されているのかを企業の皆さんに正確に伝えるとともに、不動産と環境をめぐる社会の最新の動きをお伝えする必要があり、両研究会では、このことに努力しています。
当事務所は、不動産と環境に関する法律上の難問に正面から向かい解決することをめざしています。山田俊雄先生を顧問に迎えることで、従来の、①都市計画・都市再開発、②民法・区分所有、③環境法の各分野に加えて、④民事裁判実務の分野においても、最高の助言を受けることができるようになりました。この環境を活かして、今後とも幅広い分野に関心をもって、新しい法律問題に取り組んでいきたいと考えています。